《 川柳 かわやなぎ
》 という 「お茶」 について
今日、「せんりゅう」といえば大方の人々が十七音の短文芸であると認識するでしょう。
しかし、まだ川柳の社会的認識が低かった頃には、
「それはお茶の銘柄かい」
などと、笑えぬ勘違いをされたことがあったと、多くの先達が書き残しています。
「柳(やなぎ)」とか「川柳(かわやなぎ)」と呼ばれるお茶は、煎茶の製造過程で、葉が二〜四折になり、柳の葉のように細長く仕上がったものだけを集めたもの、または、新芽を摘んだ後の摘み残しの少し大きくなった茶葉を刈り取ってつくったお茶を指すそうです。
いずれも形が柳に葉に似ているところから名づけられ、大きな葉であるため煎茶より軽くさっぱりした味が出ます。
これら大ぶりな茶は、煎茶とは区別され「荒茶」ともいい、「番茶」の類とされます。
私たちの文芸と同じ表記の名称を持つお茶。なんとなく親しみが湧きますね。煎茶にはなれなくても、サッパリとした口当たりが庶民の食卓を楽しませます。
川柳を嗜む者としては、こんなことも知っておくと、せんりゅうえておきたいものです。
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