課題出題の中でも、特殊な出題方式として、「字結び」というのがあります。
一字結び、二字結びなどを総称して結題(むすびだい)と呼んだもので、現在は一時結びだけがもっぱら行われています。
ふつう感じが一字だけ出題され、一句の中にかならず詠み込むことが義務づけられますが、字結びの場合は、その感じをどんなかたちで用いてもよいことになっています。
例えば、「空」がソラでなく、
空財布、空気マクラ、空振り、絵空事、空しさ、
空々しさ、
などでもよく、また、
円空仏(えんくうぶつ)や孫悟空
でもかまいません。というより、むしろ意表を衝いた着想が珍重されます。
この点が一般に行われる課題吟と違うところで、たぶんに遊戯的要素の強いものとなります。
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