凡日抄 炎天の阿字 尾藤 三柳 |
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痰がからまる敗戦忌の炎天 | 炎天の韋駄天に逢う谷中道 | ||
病棟を出て炎天に「阿」字を書く | クローンがたちまち老いる炎天下 | ||
人間の単価を炎天に曝す | |||
即興十四字「時事」 (朱談会にて) |
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毒婦の毒に甘い裁判 | 銀座で弾が降った梅雨入り | ||
トキに騒いでオウム忘れる | 殴られ損になった警官 | ||
古希ならびに出版記念 |
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たてがみ 振り向けば古希 鬣のない獅子座 |
『選者考』当座は舌を縫っておく | ||
机の脚が踏んでいるわが老後 |