篆 刻  てんこく

 

 篆刻は、私にとって小さい頃から馴染んだ「芸」だった。
 かつての川柳家の多くが、文人の嗜みである「詩吟書画刻」を楽しんでいたが、父・三柳もご多分に漏れず暇をみては、印石に文字を彫っていた。私も、見よう見まねで蝋石などに印を彫っては、遊んだ。
 自分の雅印は、自分で作るという習慣は、随分早い時期からあり、生意気にも十代で堂号・庵号の印まで所有していた。
 ここに示したのは、自分の印と、周囲の友人や恩人へのささやかなプレゼントとして彫った印などである。
 2012年、30年間に彫った印影の記録は、200本を越えた。