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     前日の《芽出し柳》の句を見た阪井久良伎翁が、翌2日に 
    《猫やなぎ》 と題して「へなづち」の署名で12句を掲載した。これが時事的川柳欄が紙上に定着するはじまりとなる機会をつくった。 
     「へなづち」は、阪井久良岐創案の新短歌名で著書に『珍派詩文へなづち集』(明治34、新声社)などがある。 
     この欄は、明治36年7月3日、新聞《日本》(4996号)から井上剣花坊に託され《新題柳樽》欄となり固定の川柳欄として定着した。
     
     勲章も瘡も一所にしよつてくる 
       
     などの句も第一次日英同盟をテーマとしたもの。 
     この句の面白さは、日英同盟の際の勲章という名誉とともに海外での夜の遊びにより性病の瘡まで持ち帰ってきたという諷刺。 
     阪井久良伎翁は、宝暦明和期の初代川柳時代の生き生きした川柳に戻るべく復古運動を主張、これが明治期の狂句的表現からの脱却への道を開いた。  
      新川柳のはじまり動画 
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