川柳さくらぎ  

「震災・川柳の無力と意義」
夢の川柳博物館「関東大震災の時期の川柳誌」
大震災吟  ほか

 東日本大震災      尾藤 一泉
肝を裂き地を割き地震人を別き
来し方も明日も浮かぶ長い揺れ
大地など借り物というM9
見開いたまんまダルマの床に落ち
落ちゆくものの諸手無力に摑むくう空
散らかった史料に古き地震の句
映像に津波の古句のリフレーン
津波去る日本の下着まで濡らし
レスキューの橙色が胃に刺さる
川柳が届かぬ遠い遠い瓦礫
国境のない手ずぶ濡れの国へ
首相から寒さが漏れるぶら下がり
避難所に国旗ばかりの国の術
塞がらぬ胃袋へまた来る余震
原発の古い神話が融けてくる
檻を出た野獣が放つシーベルト
規制値の無意味「神話」をまだ生かす
復興へ大地の眩暈 わが目眩
泥つきの証書明日へ託される
再生へ何もなかったような海


 2011年4月15日、玄武堂企画発行。
 文庫判・108ページ。
 1000円(本誌)。〔送料160円〕

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  申し込み・問い合せ:川柳さくらぎ編集室