川柳の中には、自分の創作意欲によって何にもとらわれず(作者自身がテーマ・材料を選ぶ)に作る自由吟と、句会や応募作品のようにテーマか材料の一部があらかじめ与えられ、それによって句を競う課題吟(題詠)があります。
近代文芸意識に目覚めた川柳が、自己表出の手段として捉えるとき、前句附以来の伝統ともいうべき「課題による限定」や「句会の競吟システム」からの解放により自由なイメージを展開させる自由吟こそ「作品」という呼び方にふさわしいものとなりました。
しかし、「自由です」といわれた方が難しいことも事実です。
初心者の学習順序としては
課題吟 → 句会 → 吟行 → 自由吟
という過程を踏むことが、身につく早道ともいわれます。岸本水府氏は「初心は題詠から」と言っています。
自由吟の場合には、特に自分の目を働かせて、的確に対象を捉え、自己の内側にある思想や感情を忠実に表白することが大切です。そのためには、それだけの川柳作句技術がひつようなことも事実です。
技術を磨くためにはなによりも鍛錬が大切で、
@ モノをよく見ること
A 多作すること
の努力により、しらずしらずの間に、表現力が身につきます。
自由吟を対象別に分けると次のようなものがあります。
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