5・7・5という三句態が部分的に崩れていても、定型の持つリズム感を保っている作品は、定型として扱われます。
これには、三句態のそれぞれの音数(五音または七音)が、多い場合と少ない場合とがあり、総音数(十七音)もまた、多くなったり少なくなったりしますが、基本的な気息や格調は定型と変わらない感じを与えます。
定型感の字余り、字足らずは、あくまで部分的な増減で、基本的に同じ比重(もしくは時間)で構成されている三句態のバランスが崩れない限りにおいて成立するということです。
だから、5・5・5、7・7・7でも、定型感を保ち得ますが、三句態のうちのどの一部分かが極端にバランスを崩すと、気息が破綻し、三句態そのものが成り立たなくなり、定型感は失われることになります。
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