課題による作句に際して最も大事なことは、それを読み込むと読み込まないとにかかわりなく、下記の二つです。
1)課題を通して作者自身のこころを書くこと
読み込みの場合は、課題のコトバそのものに寄りかかって、平坦、皮肉な内容に終わりやすい。
読み込まない場合は、課題の説明だけに終始しがちであることを考えて、何よりも作者のこころを書くことを心掛けよう。
作品はアタマより目、コトバよりこころである。
2)課題と作品が不即不離であること
課題に密着しすぎた作品は、ひろがりがなく、面白みに欠ける。
かといって、課題から離れすぎて、それを見失うようでは課題吟の意味がなくなってしまう。
つまり、「即(つ)かず離れず」ということが大切。
連歌や俳諧にも、前句と附句の関係に「親句(つき過ぎ)」と「疎句(はなれた句)」 ということがあるが、どちらかといえば後者のほうに面白味があるとされている。
課題吟の場合も、課題から目さえ離さなければ、なるべく自由に、イメージのつば さをひろげたほうが、もちろんよい。
蕉門の許六などは「題のクルワを出る」といっている。
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