伝習的川柳(とくに古川柳)の特性を、うがち・おかしみ・かるみとしたもの。ものの見方としての穿ち、躰としての軽み、結果として引出されるおかしみは、三つにして一つのものであり、良質の古川柳を支える条件となっているが、文芸上の規範ということではない。
川柳入門書の中には、この三要素を作句の指針にしている説明も見受けられるが、これらは、あくまでも作品の結果であり、目的ではない。この三つは平面における集合の要素でなく、穿ちをベースに軽みという技術が加わり、おかしみを生むという立体構造。この概念の誤解は、三要素を語るときの大きな問題である。
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