孝行のしたい時分い親はなし
子が出来て川の字なりに寝る夫婦
寝ていても団扇の動く親心
かみなりをまねて腹掛やっとさせ
本降りになって出てゆく雨やどり こんな句を何処かで聞いたことはないでしょうか。これら人口に膾炙した句は、みな古川柳から生れ出てきたものです。
川柳は、世態・人情の機微をうまくとらえ、耳なれた言葉として伝わってきました。
これらの句が耳に親しみやすいのは、五・七・五という日本人のコトバのリズム感として、この形式が、もっとも安定感があるからです。これを定型詩といいます。
川柳は、俳句と同様、世界で一番短い定型詩ということができます。
こんな短いフレーズで、川柳は社会や人生をも描く寸鉄となります。
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