「誹風柳多留」 解題
書 名

誹風柳多留 はいふうやなぎだる    「柳樽」とも表記する場合あり
                      後に「俳風」と混用される

                       名称の由来



『誹風柳多留』初篇から24篇

(上田市立図書館・花月文庫蔵)

篇 数

初篇〜167篇 (別編8あり)

時 代

明和2(1765)年〜天保11(1840)

編 者

呉陵軒可有(初篇〜22篇)
花屋久次郎ほか

版 元

星運堂・花屋久治郎(初篇〜124篇)
*文閣・石井佐太郎(125篇〜167篇)

体 裁

  
   
体裁例:8篇(1丁18句 )            2篇(1丁16句

 小型本(40〜50丁)、1丁18句  [2篇のみ1丁16句]

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「誹風柳多留」の書袋  



『誹風柳多留』三篇
(上田市立図書館・花月文庫蔵)

内 容

 初代川柳評万句合(宝暦7年から寛政元年)の勝句を抄出した川柳点(初篇〜24篇)にはじまり、四世五世川柳時代の「狂句」までを収める。初代川柳選は24篇まで。

特 色

 川柳評万句合の前句附の附句だけを取り出して「一句にて句意のわかり易きを挙げて」(初篇序)前句を省いて載せた選集。このことにより、十七音独立鑑賞という文芸形式を確立した。
 先行類書に慶紀逸編の「俳諧武玉川」があり、多くをこの刊行物から学んでいる。


初篇・呉陵軒可有序

意 義

 点者・川柳の名を不動のものとし、独立した文芸形態確立の契機となる。
 2015年、《柳多留250年》の式典と行事が行われる。

参 考

 「誹風柳多留」1〜5/山沢秀雄校訂(岩波文庫) 初篇から24篇  (手軽に使える史料)
 「誹風柳多留全集」1〜12、索引/岡田甫(三省堂)初篇から167篇 
(研究で文書を書くには必須の書籍) 
 「誹風柳多留全集」上中下/柳多留全集刊行会(同)初篇から167篇 
(写真版で生に近いが伏字等がある)
 「誹風柳多留」初篇〜10篇、/濱田義一郎他(教養文庫)初篇から10篇 (一句一句の解釈が嬉しい)