自由律は、定型律に対する呼び方で、定型の律を破り三句体の均衡を無視した自由な律格で構成された作品です。破調ともいいます。
十七音より短いものを短律、長いものを長律とよぶこともあります。
短歌では前田夕暮、俳句では河東碧梧桐・荻原井泉水らが提唱し、川柳へも波及しました。
首の太さで決まるA席B席 俊太郎 (18音=長律)
夜木の芽を感じたり 雀郎 (11音=短律)
準格である「字余り」とは別のものですが、準格の極端なもの、変格の極端なものなどが自由律となります。
白い壁を何処まで建てつづけるの 蛙人
雨雨雨雨雨離婚する
豊价
紙には相違なきもろもろの紙幣
日車
こんにちはさようならをうつくしくいう少女
吟一
枕が消えてしまった――吹雪か
五呂八
窓、しばらく鼻を遊ばせる
十四世川柳
表現の自由を本旨とする自由律(非定型)には、作品個々にそれぞれの形式があり、「川柳の形式」という場合には普遍性を持ちません。自由律についてはあくまで参考であり、初心者にとっては定型から学び、習熟の上で発展すべき課題でしょう。
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